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魔神復活(?)編 - レアニウス

2021/02/16 (Tue) 10:28:17

煌々と満月が照らす森の中の道を5つの陰がひたむきに進んでいる。
「もっとペースを上げるか?」
戦闘をいくレアニウスが僅かに後ろを走る戦士に声をかける。
「いや、この後戦闘になる。移動に体力を使い過ぎるわけにはいかない。それに・・・・・・」
 そう言って剣士はさらに自分の後ろを走る面々を見る。剣士の後ろには弓を背負ったレンジャーが、さらに後ろにはローブ姿に杖を携えた魔術師が走り、殿を軽装の盗賊がつとめている。
 野外活動に慣れた四人はともかく、フィールドワークには不慣れな魔術師には今のペースでもぎりぎりと言った様子だ。
 口惜しいと思いながらもレアニウスはそれに同意するしかない。魔術師ともう一人誰かを置いて三人が先行することも考えたが、これから起こるであろう戦闘を考えると戦力を分断するリスクは負えない。
 人間と魔族、世界を二分する大戦が終わってからすでに数年の年月が流れた。絶大の力を持って魔族だけでなく、人間を支配しようとする魔王、それを阻止すると言う名目の元利権を貪ろうとした帝王はどちらも倒れ、世界はゆっくりとだが融和の道を進もうとしている。しかし、争いの種はそう易々と尽きる訳ではない。むしろ、こんな時代だからこそ自らの欲望のために動き出そうとする輩は後をたたないのだ。
 そんな中、レアニウスの元に届いた依頼は「魔神の復活を目論むカルト集団の野望を阻止して欲しい」とのものだった。
 魔神とは正式な種族のではないが、魔族の中でも強力な個体に対する呼称である。その強さ、能力の質にはムラがあるが概ね一体で複数の都市や大国を蹂躙・壊滅できるほどの力をもつものがそう呼ばれる。村の伝承にある500年前に封印された魔神を復活させ、自らの欲望のために利用しようとしている集団がいるとのこと。にわかには信じがたいことであったがその話を知らせた村人が持ち込んでいた祭器を狙い件のカルト集団--グリザリア暗黒教団--が襲来、その際に酒場におり、撃退した5人組の冒険者であるレアニウスたちが魔神復活を阻止するために動き出したのである。
 何度となく祭器を巡って何度となくグリザリアと戦いを繰り広げたが遂には祭器を奪われてしまい、魔神復活の鍵をそろえられたしまった。
 魔神復活の儀式は村の奥にある魔方陣の遺跡で行われると言う情報を持っていたレアニウスたちは一路その遺跡を目指して突き進んでいる所であった。

Re: 魔神復活(?)編2 - レアニウス

2021/02/16 (Tue) 11:12:28

魔法陣に力が集約する。三つの祭器から放たれた光が魔方陣の中央に集まると爆ぜた様に光の柱となり天に昇る。そして月の光を浴びて一際大きな光の矢となって魔法陣の中央に帰ってくる。
ーーピキッーー
何もないはずの空間で何かが軋む音がした。
「!!?」
魔方陣の中央の空間にヒビが入っている。そして
---ピキピキピキ・・・・・・パリーーン----
そのヒビが音を立てて広がったかと思うと次の瞬間砕け散った。そしてその瞬間現れたのは・・・・・・
「こいつが・・・・・・魔神・・・・・・?」
 前身を緊張で硬くしながらレアニウスは現れた存在を見据えた。
 それは紛れもない女性の姿をしていた。本来の年はわからないが人間に当てはめるのであれば二十代後半ほどであろうか。顔は美しく整っており、貴族・王族らしい気品が溢れている。肌の色は一目で人外と分かる青色、頭には頭髪はなく、一見頭髪に見える粘液らしきものがしたたり、羊の様な角が二本生えている。
 四肢には宝石で彩られた金色の腕輪や足輪をはめており、胸元や腰にも同様の装飾品をつけている。が、普通であれば隠すであろう秘所や乳房はほぼ丸出しであり、一切陰りのない割れ目や周囲より濃い藍色の乳輪や乳首を一切隠すことなく周囲にさらしている。
 だが、レアニウスもその周りにいる仲間たちも、それどころか魔神を呼び出した張本人である教団員たちもその存在に畏怖していた。その人型の魔から放たれる存在感は圧倒的で歪なものであった。
「妾の封印を解いたのはお前たちか?」
 静まりかえった遺跡で出現した魔神はそう、つぶやきながら目を開いた。闇の中でも輝く様な赤い瞳が教団の神官たちを、見つめ、次にその奥の冒険者たちに視線を移す。響き渡る声は鈴の音のように軽やかでありながら返事をするのをためらわせるような威圧感がある。
「そっ、そうだ。お前を長き封印から解き放ったのは我らグリザリア暗黒教団だ! さぁ、我らに従え!!」
 魔神の圧倒的な存在感に気圧されながらも虚勢を張るように神官長が叫ぶ。
「下らぬ事を言う・・・・・・長く封印を解いた代わりにお前などに従えと?そのような事するわけがないであろう。」
「なっ・・・・・・」
 まぁ、考えて見れば当然のことだ封印という不自由な状態から解き放たれた所で服従という不自由な状況に落とされる事は誰も望まない。事前交渉もなしに封印を解いた者に絶対的に従うなど、封印した時点でそういった仕掛けを施しておくか、そのぞんざいがよほど義理堅くもなければ物語の中でぐらいしかありえない。
「だが、妾を自由にしたことは褒めてやる。褒美をやろう、何でも好きなことを言うが言い。」
「なっ ならば力だ! 力を渡せ! 天地を揺るがしし愚かな人間ども蹂躙する力を!!」
「わっ 私は命だ!不老不死だ!! 何があっても史死なず、老いず、生き続ける命を寄越せ!!」
「おっ 俺は金だ! 金だ!! どれだけ使っても使い切れないほどの大量の金をよこせ!!」
と生き残っていた三人の神官が口々に望みを言う。【力】【命】【金】確かに、どれもが人間が望む物。そしてどれもが人を動かし世界を変えうるものである。
「ふふふふ なるほど わかりやすい奴らよ。望みの物をくれてやろう・・・・・・」
 コロコロと手を口に当てて上品に笑うと魔神は手をかざして神官たちに向ける。
「まずは力を・・・・・」
「なっ!?まっ まて!!」
 そんな物がカルト教団員に渡されたらどんなことになるか分からない。レアニウスも も慌ててそれを止めようと魔神に向かって動こうとするがそれよりも速く。
「うぉ!! こっ これが魔神の力か!!」
最初に手をかざされた神官に紫色のオーラが宿る。
「!?」
まとっている様子を見ているだけで分かる。その神官には今までにない力が宿っている。おそらく力だけでは人間の枠を超えているかもしれない。
「ハハハハハハハハハハハハ」
 その力に満足したかの様に高笑いを上げる神官。
「ほれ、次に命だ・・・・・」
 そう言って二人目の神官に手をかざす。すると次の瞬間初老にさしかかっていたその神官がみるみる若返り壮年を経て肉体も精神も最も充実しているであろう青年の姿へと変わる。まぁ、その存在感そのものも増しており、魔神の事が本当であればこれ以降老いることも病む事も傷付く事もないのだろう。
「すごい・・・・・・素晴らしい!!」
歓喜に震える神官。試しとばかりに自分の手の平を軽くナイフで傷つけて見ると見る見るその傷口はふさががり跡形もなくなる。
「あははははははははは」
「うははははははははは」
【命】と【力】二つの人間の欲望の極みを手に入れた男たちは歓喜の笑い語を上げる。
 冒険者たちはその光景をただ黙って見ている今年かできなかった。
「さぁ、次は【金】だな・・・・・・」
そう言って魔神が三人目の神官に向き直った。その問
「ギャァァァァァァーーーー!!!」
遺跡に男の叫び声が響いた。

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