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天空庭園の女主人 - レアニウス

2021/02/05 (Fri) 23:26:05

(美しい女性だ……)
目の前の存在を前にしてレアニウスはまずそう思った。周囲には色とりどりの花が咲き誇る花畑。赤い花、黄色い花、ピンクの花、白い花無数の花が一切陰ることなく光を浴びて目いっぱいに花びらを広げえている。
ここは最寄りの町から馬で三日、徒歩で二日かけてようやく到達できる険しい山の上にある盆地。本来ならば雑草一本生えるのがやっとというような地形なのだが特殊な魔力の流れの関係から季節に関係なく花々が咲く希少な土地となっているのだ。
花といわれると手軽で安価なイメージがあるかもしれない。もちろん、花が自然に咲き誇る季節であればその通りだ。しかし、今は冬、山も森も枯葉も落ち切り花と呼べるものは咲いていない。人工栽培された草花もあるが値段は高価であり、たとえ大金を払って購入したとしてもその質は自然のものから著しく劣る。この時期に咲き誇る花は文字通り値千金の価値がある。
つまり、この花畑は金の生える花畑といっても過言ではない。だが、人里から遠く離れたことを差し引いてもこの天空庭園に花摘みに来るものはほとんどいない。その理由が・・・・・・
(ほんとにこの女が……そうなのだな……)
レアニウスは静かに、それでいて確かに納得した。
花畑に一人たたずむ妙齢の女性。貴族婦人というようなきらびやかなドレスを身にまとい、透けるような白い肌、つややかな若葉色の髪は肩にかかるかという程度の長さで優雅に日傘まで差している。目鼻立ちも整っており、体系が見えにくい服装であるが、それでも均整がとれていることがなんとなく見て取れる。その顔は優しそうに微笑みレアニウスを見つめている。
「……………」
その視線にさらされながらレアニウスは全身をこわばらせて警戒していた。およそ戦闘とは無縁に思える姿をした女性を前にしながらレアニウスはまるで巨大な岩が今にも頭上から降ってくるかのような緊張感を感じていた。
目の前にいるこの女性こそ大金になる採取物がありながらこの場所に人が寄り付かない理由。この花畑をなわばりにしている女性型魔族。ベテランの冒険者ですら一蹴しするうえ敗者を過剰なまでいたぶる趣味を持ちその力は人間の知る魔族の中でもかなり高位、場合によってはその気がなかっただけ魔王にも比肩できたのではなないのかともうわさされている。正式な名前を聞いたものはおらずその存在を知るものからは「天空庭園の女主人」と呼ばれている。

「うふふふ いらっしゃい 久しぶりね私の花畑に人間がやってくるのは なんの用かしら?」

先に口を開いたのは女主人の方であった。その容姿にたがえずなんともやさしさと気品を兼ね備えて美声だ。

「愛する人に花を贈ろうと思っての花を摘みに来た……」

警戒を解くことなくレアニウスはそう答えた。女主人の声を聴いてもその警戒は緩むことはない。それどころかますます厳しくなっている。

「あら 素敵ね きっと喜ぶと思うわ。……贈れたらね……」

芝居がかった動きで女主人は小さくはしゃぐ様なしぐさを見せる。

「でも残念ね ここにある花はすべて私のもの・・・・あなたみたいなどこの馬の骨ともわからない人間には花びら一枚あげる理由はないわ」

そういってそれまで細めていたをわずかに開く。そしての目には恐ろしいまでの暴力的な狂気が潜んでいた。

「!!」

その目を見た瞬間レアニウスは駆け出す。いまここに高いの火ぶたが切って落とされた。

天空庭園の女主人2 - レアニウス

2021/02/08 (Mon) 15:25:50

力強く大地を蹴ったレアニウスが滑るように速度で女主人へと迫る。そしてその美しく整った顔に躊躇いなく拳を打つ。クリーンヒットすれば大の男でも卒倒しさせる威力を持つ拳、本来女性に向けて放つような攻撃ではない。だが、レアニウスに躊躇いは無かった。何処からどう見てもか弱い女性にしか見えないその女主人にレアニウスはそうさせる何か底知れぬものを感じていた。

バシッ

重い音がのどかな花畑に響く。レアニウスの放った突き。その突きは女主人の右手で防がれていた。だが、レアニウスも止まらない。続けざまに左正拳を放つと、次の瞬間には左手を出すと共に引いてきた右手を放つ。そして今度は左足による蹴り込み。しかし、そのすべてを女主人は防いでいる。レアニウスの日だし足を防ぐと今度は女主人が攻勢に出る。左正拳、そしてそのまま肘を曲げたかと思うとその左手で裏拳。レアニウスは正拳をよけ、裏拳を女主人の手首の部分で受け止めると、裏拳を放ったことにより伸びた女主人の左腕を取るとそのまま肘関節に右手を入れて女主人の関節を決めようとする。
しかし、女主人はレアニウスが関節を決めるより早く飛び上がるとそのままレアニウスの上を飛び長いスカートを翻しながらレアニウスの頭上に足を振り下ろしてくる。レアニウスは深追い無用と肘関節を止めようとしてた腕を離すとそのまま後ろに引きさがる。
「うふふふふ どうやら暇つぶしぐらいにはなりそうね。」
 激しい攻防を行いながら女主人は呼吸一つ乱さずそう言い放つ。
「そいつはどうも」
 構えを説くことなく冷静に返すレアニウス。さっきはこちらから攻撃を仕掛けたから今度はそちらからどうぞと言わんばかりに右腕を少し空けて攻撃を誘う。
「できるだけ楽しませてちょうだい」
 その動きに答えるように距離を詰める女主人。狙うはレアニウスが誘ったレアニウスの右側・・・・・・ではなくあえての左側。その左肩を射貫くかのような鋭い拳を放つ。わずかに左肩を下げてレアニウスはカウンター気味に右拳を放つがその拳は女主人の頰をかするのみにとどまる。
「ふふふふ・・・・・・」
「むっ!」
 レアニウスと女主人、闘気と狂気の宿った視線が交差する。
 すかさずレアニウスはかすった拳で女主人の肩をつかむとその肩を下げつつ膝を打ち上げる。狙うは女主人の腹部。しかし、女主人はその膝に威力が乗る前に自身の膝で受け止めると今度は肩を掴んでいたレアニウスの腕を右手で掴み返しその腕に手刀を打ち込もうとする。
「(素早く的確な攻撃。一筋縄ではいかない相手・・・・・・だが、十分勝機はある!!)」
 激しい攻防を繰り広げながらレアニウスはそう判断していた。
 手刀がベストな角度に入る前に肘をこちらから差し向けてダメージを相殺。
 女主人が両手でレアニウスの左腕の対処をしているのを好機と言わんばかりに女主人の腹部をレアニウスの拳が打つ。
 がその拳が届く前に女主人が後ろに下がる。どうやらレアニウスが肘で迎える姿勢を見せた時点で下がるよう計算していた様子だ。
 数歩分下がった女主人、だが下がったのもつかの間、跳ね返るかのようにすぐさまレアニウスに距離を詰めるとスカート生地を翻して大ぶりの蹴りを放つ。今度はレアニウスがそれを下がって回避。そしてすぐさま今度は蹴り込みで反撃に出るが女主人はわずかに体を反らしてそれをよける。レアニウスの足はわずかにドレス生地を揺らすだけにとどまる。
 女主人はそのまま続けて蹴りを繰り返す。横蹴り、蹴り込み、前蹴り。一撃一撃の蹴りが空気を切り、周囲の花をまき散らす様子から鋭さと威力を想像させる。レアニウスは激しい蹴りを体を大きく動かしてよける。そしてタイミングを見計らい女主人が蹴り込みを行った瞬間。
「いまだ!」
 レアニウスの左手が動くと翻ったスカートの一部を掴む。余裕のつもりか、あるいは唯のファイトスタイルなのか。女主人は戦いが始まっても衣装を替えることがなかった。戦いに不向きな衣装、それは拮抗する戦いにおいては隙でしかない。
「普段は女性のスカートをめくるなんてはしたないことはしないんだがな」
 そう言いながらレアニウスはスカートを引っ張る。そうすれば当然女主人の体勢を崩れる。その瞬間。
「発ッツ!!」
―――雷声翼包衝掌―――
レアニウスの渾身の掌が女主人の体をとらえた。

天空庭園の女主人3 - レアニウス

2021/02/08 (Mon) 15:37:09

―――雷声翼包衝掌(ライセイヨクホウショウショウ)―――
雷声とはレアニウスの使う流派を初め東方の武術の奥義の一つ。特殊な呼吸操作を行う事で筋肉の動きを高める事により打ち出す技の威力を飛躍的に増大させる技法だ。いま、レアニウスはその技法に合わせて渾身の掌を女主人に向けて放った。

衝撃で数メートル後ろに下がる女主人。その頭は俯いていて表情を知る事は出来ない。

「はぁ……はぁ……はぁ……」
荒くなった息を整えながら女主人の出方を待つレアニウス。自身の渾身の奥義を喰らっているのだ既に立っているだけでも限界のはず。
何処からともなく女主人の周りを赤い花びらが舞う。周囲には赤い花など咲いていないはずなのに。それと同時に女主人の服装が変化する。よく見れば女主人の衣服が花びらに代わりながら余分な布が離れて行っている様だ。それまでまるで貴族の社交界に出席する様なドレスから一転色合いはそのままでタンクトップにスパッツとまるでアスリートの様な動きやすい姿へと女主人の服装は変化した。
「!!?」
す―っとうつむいていた女主人が顔を上げた。その目は完全に開き切り、その瞳の奥にはゆるぎない闘志と狂気が燃え上がっている。
勝敗が決したなどととんでもない、女主人は今ようやく戦う気になったのだ。
(思ったより着やせするタイプなのだな)
その様な状況にも関わらずレアニウスはそんな事を考えていた。衣装が変わり体のメリハリが良くわかるようになった女主人の体は想像以上に魅力的で胸も豊かに実っている。胸囲90㎝弱と行った所だろうか。打撃戦闘を行う事を考えればかなり均整がとれたプロポーションである。太ももも張りがあり。腰も見事にくびれている。
だが、そんな事を考えている場合ではない、先ほどまでの攻防ですらレアニウスはほぼ全力を出し切っていたのだ。それでいて女主人の方はまだ力を出し切っていない。
(ここからの戦いはさらに厳しく……)
レアニウスがそう考えた次の瞬間レアニウスの直ぐ側に女主人が迫っていた。数メートルの距離を一瞬で、レアニウスですら反応できない速度で移動したのだ。そしてその右拳をレアニウスの腹部に向かって打ち出そうとしている。
「‥‥‥ッ!!」
考えるよりも先にレアニウスの体は防御態勢を取った。左腕を下げて二の腕で女主人の拳を受け止める。だが
「うぐっ!?」
防御の姿勢はギリギリだが間に合った、だがその威力は全く防ぐことが出来ていない。
「なんて重さ、こんな攻撃受けていたら受けているだけで骨が折れる。」
これ以上受けるわけにはいかない。これからは避けるか撃ち落とすかしなければ。だが、その判断から反応するよりも早く女主人が今度はそのしなやかな足でけり込みを放つ。たとえ防御であっても受けてはいけないその考えがありながらレアニウスは回避や相殺の動きをする暇もなくただ両腕をクロスさせて女主人の蹴りを受け止めるしかなかった。
「ぐふぁ!!」
あまりもの痛みにレアニウスの口から苦悶の声が漏れる。そのままレアニウスは後ろに吹っ飛ぶ。女主人の放った蹴り、造作もなく放ったその蹴り一発ですら先ほどレアニウスが放った渾身の掌と同等以上の威力がある。後方に吹き飛んだレアニウスは花弁をまき散らしながら転がる。
「(守っていたら勝てない。反撃しなければ)」
そう判断すると必死の思いでレアニウスは痛みをこらえて自らの回転を止めると大地を強く蹴って女主人へと拳を突き出す。
右頬、左鎖骨、右顎、左下腹部の四か所への拳。さらにそこから女主人の身体を薙ぐかの様に右横蹴りが決まり、周囲に色とりどりの花弁が舞い上がる。
「!!?」
攻撃を仕掛けたはずのレアニウスの顔が驚愕に染まる。自身が放った蹴りを女主人は片手で受け止めていたのだ。しかも、それだけではない、攻撃を仕掛けた女主人の四か所にはアザどころか擦り傷一つなく、女主人の表情からも全くダメージを受けた様子がない。それどころか殴ったレアニウスの両手にはまるで鉄の塊を殴ったかのように痛みを感じている。
「防御力も上がっているのか……」
レアニウスは今の女主人の形態を防御を捨てた攻撃形態だと踏んでいた。だからこそあれだけの攻撃力を持ち、その分防御力は落ちていると。だが、その予想は無残にも外れた。女主人は能力を振り分け変えたのではない、どの能力も均等に、それで飛躍的に上げているのだ。
「…………」
レアニウスの顔が恐怖にゆがむ。
女主人はそんなレアニウスの様子を満足そうに見ると掴んでいた足を振り回す。全身が鍛えられたレアニウスの体重は80㎏を超える。しかし、女主人は顔色一つ変えず華奢に見える腕でレアニウスを振り回すとそのまま高く上げレアニウスの身体を地面にたたきつける。
「ごふぁ!!」
振り回され視界を高速でかき回せながらもレアニウスは何とか正気を保ち地面にたたきつける際は受け身を取る。しかし、いくら受け身をとっても女主人の圧倒的ポテンシャルの前では大してダメージを減らす事は出来ない。受け身を取ってなおレアニウスの全身は痛みの信号を脳へと送り、その衝撃により呼吸が止まり意識が遠のく。
だが、レアニウスは遠のきがかった意識を目の前の光景を見て無理やり引き戻す。女主人が足を振り上げレアニウスの顔面を踏みつけようとしているのだ。
ガシュ!
女主人が地面に足を叩き落したところ間一髪レアニウスは身体を転がして女主人の踏みつけ(スタンプ)を避ける。
「(反撃を……反撃を……)」
そのまま花畑を転がるレアニウスの頭にはただそれだけの思考しかなかった。回転しながら身体を起すと女主人に向かって必死に拳を打ち放つ。しかし、朦朧とした意識の中で気力のみを振り絞ってはなった拳など今更女主人に通じるわけもない。レアニウスが渾身の力を込めたつもりで放った拳は女主人の頬を軽くなでる程度にかするだけだった。
「どうやら もう終わりの様ね‥‥‥」
そう言って今にも崩れそうなレアニウスの頭を掴み無理やり立たせる女主人。その眼は相変わらず狂気が渦巻き、見るものをゾッとさせるような恐ろしい笑みを浮かべている。
「こんな感じだったかしら」
女主人はそういうとレアニウスの腹部に掌を叩き込んだ。“こんな感じ”と言いながらもレアニウスの雷声や掌の技法を真似たわけではない。ただ、圧倒的なパワーでレアニウスに手の平をぶつけてきただけだ。しかし、そのパワーだけで単純な破壊力は技法を尽くしたレアニウスのそれを上回っていた。
「がふぁ!!」
そう、叫び後を上げながらレアニウスは後ろへと吹き飛ぶ。そして、今度は起き上がれなくなっていた。

天空庭園の女主人4 - レアニウス

2021/02/08 (Mon) 15:47:19

「あら、まだ生きてたの。死ぬくらいの力を入れたつもりだったけど。」
 地面に倒れているレアニウスを見下ろして女主人はそう言い放った。確かにレアニウスは荒い息をして生きている。だが、すでに立ち上がる様子はなく、その力もないようだ。
「ふふふふ 面白かったわ。立派よ20年そこそこしか生きていない人間にしたら十分合格点を上げられる腕ね。」
 そう言いう女主人の目にはとりあえず戦闘中に見せた狂気はすでに宿っていない。一見柔和そうにほほえんでいるが戦闘前の様子を見るにその外見通りの温情を望むことはできないだろうことはうつぶせになっているレアニウスにもわかっていた。
「残念だわ。あと200年もその調子で訓練すれば。私に八割本気を出させるぐらいは強くなれそうなのに。」
 女主人の手がレアニウスを掴むとそのまま仰向けに転がし首元を掴んでレアニウスの顔をのぞき込む。
「貴方、なかなかいい顔してるじゃないの。それに、贈り物に花を選ぶセンスも気に入った。貴方に生きるチャンスを上げるわ。」
 そう言って上げられた女主人の手には赤い果実が握られていた。大きさは卵ほどで居間までレアニウスが見えてきたどんな果実とも違う。いや、果実のように見えるが本当に果実なのかも怪しい。
「これを食べなさい。そうすれば貴方は私の眷属となる。そうすれば今ここで殺されないのはもちろん200年だって2000年だって生きる事は出来るわ。安心なさい、私の眷属になるからと言って私は別に身の回りの世話なんてつまらない事をさせるつもりはないわ。貴方はいままで通り自由に生きていいわ。」
 そう言うとレアニウスの口元へと赤い果実を近づける。レアニウスにその気があれば少し動けばその果実に口が届く距離だ。その距離でレアニウスの反応を待つ。
「こと・・・・・・わる・・・・・・」
 ここでレアニウスが初めて言葉を返した。
「断る……私は惚れた女の為に花を積みに来たのだ……他の女の物となって想い人の前に帰るつもりはない……」
 荒い息はいまだに整えることができず、返す言葉はかすれている。しかし、その目は決して女主人に屈していなかった。
「あら、そんなこと言うの?どのみちこのまま死んだら二度とその人には会えないのよ」
「惚れた女に操を立てられず、どの面下げて生きろと言うんだ・・・・」
「そう、じゃぁお望み通り、貴方を殺してあげる……でも……」
 レアニウスの返答に納得したように赤い果実を握っていた手を下げる女主人。
「その前に、貴方のその想い人への想いも奪ってからにするわ」
 その言葉の次の瞬間再び女主人の周りに赤い花びらが舞う。先ほど、戦闘用の衣装に変化した時と同じだ。しかし、今度は衣装の変化ではない、花びらの渦がさった後女主人は一糸まとわぬ裸の姿となっていた。
「私の体の虜になりなさい」
 そう言うと女主人は力ないレアニウスの唇にキスをした。

天空庭園の女主人5 - レアニウス

2021/02/09 (Tue) 00:03:01

「くちゅ……くちゅ……くちゅ……」
 水音を立てながら女主人の舌がレアニウスの口内を動き回る。
「(甘い……?)」
 動かないからだ、遠のく意識の中レアニウスはそんなことを思った。これは確実に女主人の唾だけではない、ほかの何か薬……
「!?」
そう考えながらレアニウスは気づいた。考えることができている。そう、さっきまでいつ意識を失ってもおかしくないほど朦朧としていたのに。しかも、それでいて。
「(痛みが消えている……? いや、痛みだけではない、傷も体力も……)」
先ほどまで全身を走っていた痛みはもはやなく、擦り傷どころか、打撲、骨折、内臓へのダメージなど数々の怪我が治っているどころか体力まで回復している。
「ふふふふ せっかくこっちで楽しむのだもの……ね……」
そう笑いかけながら女主人の手がレアニウスの胸元に触れる。すっと胸元を指でなぞるとレアニウスの服が裂け鍛えられた肉体があらわになり、そのまま指が下まで下がるとズボンまで避けその布を押しのけるように大きくなった一物が顔を出す。
「へぇ……なかなか素敵じゃない。期待できるわ……」
 そういいながら女主人の白い手がレアニウスの肉棒に触れる。先ほど口の中に押し込まれたものの中に媚薬も交じっていたのだろうか。レアニウスの肉棒はすっかりその気になっており、隆々と上を向いている。
 今の体力ならばもう一度女主人と対峙することができる。だが、レアニウスにはそんな気はなかった。やったところで勝負は目に見えている。そして何より……
白く透き通るような白い肌、豊かに実った双丘、そしてすでにじっとりと湿り、雌の匂いを漂わせている秘所……女主人の魅力的な肢体を前に先ほど戦っていたことも忘れてレアニウスもすっかりその気になっていたのだ。 
「イロディアよ」
唐突に言われたその言葉。しかし、レアニウスにはなぜかその言葉が彼女の名前であることを理解した。
「レアニウス……」
女主人……いな、イロディアの顔の吸い込まれそうな瞳も見ながらレアニウスも自らの名前を告げる。
「そう、楽しみましょうレアニウス……」
そういうとイロディアは再びレアニウスに口づけをすると肉棒をしっかりと握り上下に刺激し始めた。
再び重なる二人の唇、交差する二人の舌。今度はレアニウスも積極的に舌を動かす。もう、先ほどのような甘い薬は感じられない。しかし、それよりも煽情的な女の匂いがレアニウスの鼻孔を突き抜ける。それと同時にレアニウスもイロディアの日秘所へと手を伸ばし、その花弁を愛撫する。すでに女の蜜に濡れていた秘所も淫猥な水音をたてる。
しばらく互いに舌を絡め、精器手淫したあとイロディアが銀色の糸を引きながら唇を離す。
「うふふふふ こっちの方が楽しめそうね」
そういうとレアニウスの頭に両手をけると。
「舐めなさい」
と手に力を籠めゆっくりと、だが有無を言わさずレアニウスの顔を自身の秘所に押し付ける。
「んぐぅ……」
 レアニウスが少し苦し気な声を上げるが拒否する様子はない。イロディアの女性器はすでに十分濡れている。これ以上前戯の必要はなさそうに思えるがどうやらこれがイロディアの嗜好なのだろう。素直にレアニウスは秘割に舌を知らせる。ぴちゃぴちゃと水音を立てながらイロディアの襞をなめ上げていく。次第に
「んっ……あっ……うんっ………」
とイロディアも悩まし気な声をあげ、その声を頼りにレアニウスはイロディアの特に敏感な部分を探り当てていく。やがって
「あっ……あっ………あぁっ………っ!!」
とひと際甲高い声を上げてイロディア体を震わせる。どうやら軽く絶頂を迎えた様だ。


天空庭園の女主人6 - レアニウス

2021/02/11 (Thu) 12:03:42

「はぁ……はぁ……ほんとにいいわ貴方……」
 乱れた息を整えながら熱っぽい視線をレアニウスに、そしてその肉棒へと向ける。そしてレアニウスの涎と自らの愛液の滴る秘所を広げてレアニウスの身体をまたぐと。
「いただくわ……」
 レアニウスのそそり立つ肉棒に向けて自ら腰を下ろす。たっぷりと濡れていたイロディアの花弁はすんなりとレアニウスの肉棒を受け入れる。
「んんあぁっ!」
「うぐっ!」
二人の口から熱い息が漏れる。レアニウスは肉棒を包んだ蜜壺の感覚に浸っていた。戦士として強力なイロディアのモノだけあって窮屈なほど締め上げてくる。
「動くわよ」
 そう告げると激しく腰を動かしだすイロディア。互いの粘膜が擦れレアニウスの頭にも快楽が押し寄せてくる。
「あっ…… あっ…… んっ…… んっ………」
男の上にまたがり自ら腰を振り快楽をむさぼるかのようなイロディア。緑の髪を振り乱し、豊かな乳房がプルプルと弾む。戦闘では汗一つかいていなかったが今は全身に無数の玉のような汗を吹き出し、それがキラキラと輝いている。
 そんな官能的な光景を目にしていればレアニウスの興奮も嫌でも高まっていく。イロディアに腰を打ち付けられるだけでなく、自ら地面から腰を浮かし、イロディアの身体を突き上げていく。
「んふぅ!?」
不意に突きあげられた肉棒が自身の最奥、子宮口へとあたり声を上げるイロディア。
「いっ…… いいじゃないの…… そのまま……そのまま私の奥で果てない!」
強気にそう言い放ち腰を動かすイロディア。その激しさはそれまでよりも増し、より髪が、乳房が激しく揺れる。膣の動きもより活発になり絶頂が近いことはレアニウスにも伝わってきておりやがて……
「あっ……はぁーーーーん!!」
花畑中に響き渡るような絶叫を上げこの庭園の主は絶頂し、それと同時にレアニウスもイロディアの中で果てたまった白濁をその子宮へと吐き出した。

Re: 天空庭園の女主人 - レアニウス

2021/02/11 (Thu) 12:58:42

「「はぁ……はぁ………」」
静けさを取り戻した花畑に二人の荒い息のみがかすかに聞こえる。
「よかったわ…… 貴方…… もう一度聞くわ、私の眷属にならない?」
荒い息をしながらレアニウスの再度問いかけるイロディア

「…………」
それに対して沈黙するレアニウス
「ねぇ……」
再び熱っぽい声で尋ねるイロディア。と次の瞬間。
「!!?」
イロディアの身体にレアニウスはいきなり覆いかぶさり、先ほど性を放ったイロディアの秘所に再び肉棒を押し込んだのだ。しかも、その肉棒はすでに硬さも熱さも取り戻していた。
「ちょっと そんなすぐには……」
戸惑うイロディアに対してレアニウスは今度は正常位男性本位の体位で性行為を開始する。
「あっ……ちょっ もう少しやすま……あっ………!!」
レアニウスになされるがままにされるイロディア二人の戦闘力の差を考えればたとえこんな状況であってもイロディアがレアニウスの命を奪うことなど造作もないことである。それでもなお、イロディアがそうしないのはレアニウスの与える快楽に期待しているからに他ならない。

レアニウスにはわかった事がある。この女、戦闘力は人間の比ではないがどうやら性の方は人間レベルの範疇に収まる様だ。もちろんレアニウスは人間だが今まで数々の淫魔……特に想い人と何度も交わってきたその技術と持久力は常人のそれを大きく上回っている。

長所を生かして相手に優位に立つ。愛する者との経験が命の危機を救う。それだけ聞けば王道英雄譚の様だがやっていることが性行為なのが何とも言えない。だが……
「いっ……いっ……いいぃぃぃっっっ!!」
(この状況で有効なことは違いないな)
自分の下で二回目の絶頂を迎えたイロディアを見ながらそう感じていた。
「はっ……はっ……はっ!!?」
イロディアが息をほどほどに整えかけたところで再びレアニウスは腰の動きを再開する。それと同時に今度はそれまで手を付けていなかった彼女の乳房へも口をつけさらに快楽を増していく。
「すごい。。。。。。すごいコレ・・・・・えぇ!!!」
その後もイロディアの嬌声が青空の下に響き渡るのだった。

Re: 天空庭園の女主人8 - レアニウス

2021/02/11 (Thu) 13:11:51

「はぁ……はぁ……はぁ…………」
何度とない絶頂を感じかつてない多幸感を感じながらイロディアは裸で花畑に包まれてい。その隣にはさすがに力を使い切ったレアニウスがいる。二人が交わりだしてどれだけの時間がたったかわからないがとりあえず日がだいぶ傾いているので数時間は立っているだろう。その間レアニウスはイロディアの身体を貪り続け、彼女の身体を何度となく絶頂へと導き、それでもなお彼女の身体を攻め続けた。攻め手のレアニウスも何度となく絶頂し、先ほど二人の常時は一区切りついたところである。
「まだ俺を眷属にするか殺すつもりはあるか?」
全身に疲れを感じながらもイロディアの隣で上半身だけを起こしながらレアニウスが尋ねる。
「んー どっちもやめておくわ。この上眷属にまでなられたら私の身の方が持ちそうにないし、貴方は私を十分楽しませてくれたもの。
 それに、こんだけ精液でドロドロになった後に血を浴びるのも興覚めだわ。あなたは生かして返してあげる。」
 リラックスした様子で伸びをしながら答えるイロディア、その声色に以前の狂気やとげとげしさはない。
「そうか……」
うすうすそんな気がしていたとはいえ、改めてイロディアに考えを聞いて胸をなでおろすレアニウス。
「さってと……」
そういって立ち上がるイロディア、そんな彼女の周りに赤い花びらが集まったかと思うと次の瞬間には彼女は最初あった時と同じドレスに身を包んでいた。
「どんな女性なの?」
とレアニウスに尋ねた
「はぁ?」
突然の質問に意味が分からず尋ね返すレアニウス。そんなレアニウスの身体にも花びらがまとわりついたかと思うと次の瞬間には衣服となっていた。さすがに最初に着ていた功夫道着ではないが着心地もデザインも悪くない。
「貴方が花束を贈ろうとした相手よ。私が花を見繕ってあげるわ。」
「なっ……」
イロディアの思ってもない申し出に驚きの声を上げるレアニウスまさか無事帰れるだけでなく、そんなことを天空庭園の女主人がいうとは。
「だって、貴方。エッチが終わったとたんその子のことを考えてるんだもの。私の前だというのに。もう、そこまでされたら嫉妬する気にもならないわ。相当いい子なんでしょ?どんな子のなの?私がその子にぴったりの花束を用意してあげるわよ。」
「えぇっと 彼女は。。。。。。」
そういってレアニウスは思い人の年齢や身体的特徴を伝えていく。
「そうね、そんな子だったら……」
とレアニウスの説明を聞き終わってから花畑を歩きながら花を集め始めるイロディア
「………!!?」
その姿、花を集めるイロディアの姿にレアニウスはわずかに胸をときめかせてしまい慌ててその念を振り払うのであった。
2.2

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